10月18日(木)、ジット甲府プラザにて10月例会(山の都の未来発信)が開催されました。
前半では、今年度、これまち実践委員会がおこなってきた「これまち実践事業」について、委員の土橋順君から報告がなされました。
これまち実践事業では、山の都(甲府市、甲斐市、中央市、昭和町のエリア)の課題とその解決策について調査するために「これまち実践事業アンケート」を実施しました。そして、これにより集まった3152通の回答を分析した結果、山の都の課題として、仕事に対する問題を挙げる回答が多く、これからのまちづくりにおいては「仕事・雇用」への働きかけが重要であることが明らかになりました。
財政破綻となったアメリカのデトロイト市や夕張市を実例として挙げ、雇用創設の重要性が謳われるとともに、この地域に住む若者に対するキャリア教育についての提案がなされました。
そして後半は、都立高島高等学校の公民科主任教諭である大畑方人様と甲府市役所の雇用創生課の鈴木信貴様をお迎えし、これまちトークセッションがおこなわれました。
アンケートでは、山梨における雇用の創設を重要視する回答が多数ありましたが、実際には、山梨県は他県と比して、仕事もあり、多様に選ぶ余地がある県であるそうです。また、就職活動に対する学生の動きは、目的意識を持ち積極的に就職活動をおこなう学生と、まわりに流されながら何となく就職活動を開始して熟慮する時間もないまま「ごみ箱的意思決定」をする学生とに二分化されているそうです。この後者の学生に対し、キャリア教育をおこなうことは、就職に対する意識の軸を作るとともに、県内での就職の視野を広げさせることができ、有効であるとのお話がありました。
また、キャリア教育の中で重要な三つの観点は、will(何をしたいか)、can(何ができるか)、must(社会が何を求めていて自分が何をすべきか)であり、この三つが重なるところを自分の仕事として考えていくということ。そして、Critical thinking(問題発見能力)、Creativity(課題解決のための想像力)、Collaboration(共調して取り組む力)、Communication(自己の意思を伝達し、他人の言葉に耳を傾ける力)、Citizenship(社会貢献の心)という「5C」が、就職活動時に限らず社会的に求められる人間の重要な要素であり、この5Cを高めるのも広義の重要なキャリア教育であるとのお話がされました。
まちづくりの中核的な組織である私たち(社)甲府青年会議所がスケールメリットを最大限に生かすとともに、このような活動をおこなっている方々と手を取り合いながら、若者に対し働きかけをおこなっていくことの意義や有用性を考える機会となりました。
ご参加・ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。